大阪府 所得急減世帯に私立高学費全額助成へ
私立高学費全額助成へ 大阪府、所得急減世帯に
2009年7月2日
景気悪化の影響で就学が難しくなった私立高校生を支援するため、大阪府は府内の私立高校に通う子どもがいる世帯のうち、住民税が非課税になった府内の「家計急変世帯」に対して原則、学費の全額を補助する方向で、橋下徹知事と調整する方針を固めた。知事の了解が得られれば09年度からの実施を目指す。公立との学費の垣根を下げ、私立にも高校進学のセーフティーネット(安全網)を担わせる狙いだ。府によると、全国でも極めて異例の措置だという。
大阪府は、文部科学省が追加経済対策として09年度から3カ年実施する都道府県への教育支援事業を活用する。同事業は、高校生の授業料減免や奨学金の支給者増加分への対応などを対象にしている。
府の私立高校生を対象にした現行の学費軽減制度では、年収約680万円以下の世帯に年間35万~6万円を補助している。今回はこの制度に上乗せする形で補助総額を拡大。失業や給与削減などで08年度から09年度にかけて所得が減り、住民税が非課税になった家計急変世帯の私立高校生の学費を原則、全額補助する。「急変」とする所得の減り幅は、1割以上を想定している。
補助の上限額は、09年度の府内の私立高校94校の平均学費(56万6千円)程度とする方向で検討している。それを上回る学費との差額は、自己負担などとする方針だ。
府はこれまで、失業世帯の私立高校生の学費については、年度内の失業期間に限って全額を補助してきたが、対象者は08年度で111人にすぎなかった。今回は失業に至らない非課税世帯まで対象を広げるため、1千人以上になる見込みだ。
一方、府立高校生については既に、非課税世帯に対し学費を全額免除している。私立高校生の現行の学費軽減制度では、平均学費56万6千円の場合、生活保護世帯を除く非課税世帯の自己負担額は30万円以上にのぼっていた。
経済困窮世帯への支援をめぐり、府が私立高校に対して府立高校並みの「ゼロ学費」を目指すのは、今春の高校入試で、不景気が影響して学費の安い府立高校の受験生が急増したことが背景にある。
府が財政再建策として08年8月以降、私立高校の運営費に対する助成金の1割を削減し、94校のうち50校が学費を値上げしたことも私立の敬遠を招いた一因とみられる。09年度の府内の私立高校の入学者は約1400人減り、約2万7800人だった。
10年度は長引く不況の影響と、府内の公立中学校の卒業生が約3500人増えて約7万4千人になるため、府は高校に進学できない生徒が増えるのではないかと懸念。府教委と対策を検討していた。
全国私立学校教職員組合連合によると、親の経済的な理由から08年度中に中退に追い込まれた私立高校生は、回答のあった28都道府県の315校で過去最多の計513人。大阪府は19校で22人だった。

